会社案内

社長 細田雅春より

代表取締役社長

弊社代表取締役社長・細田雅春の取材記事や発表した文章などを随時掲載しております。

シリーズ 建築設計事務所 変革に向き合う
矛盾恐れず主体的に行動 自ら変化、新しい建築の姿示す

「設計者が主体的に考えなければ建築をつくれない時代になった」。佐藤総合計画の細田雅春社長はそう強調する。住民配慮などを背景に公共建築の設計プロポーザルは画一化し、どの地域でも「安心・安全」「周辺環境への配慮」「住民参加型のワークショップ」「コストへの配慮」が求められるようになった。「こうした要望にただ応えるだけでは、建築による地方再生や地方文化の創出はできない。必要なのは、信念を持った発注者以上に主体的な設計者だ」と強調する。

設計者が主体的に行動するために不可欠なのが、「クロスブリードする組織体制」だ。「社会の皆が共有する目標が喪失し、(上意下達式の)ピラミッド型の組織や(共通の価値観を持つ)フラットな組織体制では時代の要請に応えられなくなっている。これからは、設計者が自らの意見で議論しながら時代の要請に応える『クロスブリード』が不可欠だ」と見通す。

こうした議論には時間がかかり、企業経営や生産性でマイナス面もあるが、「これを許容しなければ、豊かな社会は実現できない」と強調し、「近代建築の時代は均等で光り輝くものを目指してきたが、それは停滞して進歩のない不幸な時代でもあった。これからは、ざらざらした手触りの感じられる建築が求められる」と語る。その上で、「皆が同じ方向を向く組織ではなく、組織にもざらざらした手触りが求められるようになる」とし、「複雑な現実を理解するためには、設計者それぞれが仮説を立てて議論しなければならない」と説く。

状況は常に変化し、こうした議論は必ずしも「学校教育のように明快な回答はない」が、その矛盾を恐れず、受け入れることが重要だという。「コミュニケーションによって多様性を学ぶことが教育の原点であり、議論が進歩を生む。こうした困難を突破しなければ新しい力は生まれない。矛盾を背負って社会の状況に立ち向かう必要がある」と指摘する。

ただ、建築設計事務所の多くは「建築よりも競争にエネルギーを使っている」と懸念し、「建築設計事務所の存在意義が失われている。仕事をするために(プロポーザルの)勝ちを目指すのではなく、建築を通して何をするか、さらには限られた人材を市民と共感できるような動きを作り出せる人材として育成していく必要があるだろう」と強調する。

ストック活用の時代となり、建築設計事務所を取り巻く環境は大きく変化しようとしている。建築市場については、今後も「新しいものをつくっていく必要も、需要もあるだろう」とみるが、「ただ資本の論理に埋没するのではなく、建築とは何かを追求すべきだ」として、建築や都市が新陳代謝して新しい姿に変わっていくのと同様に、建築設計事務所も時代に合わせて変化しなければならないと強調する。「生命が変化し続けて生きていくように、建築設計事務所もまた、変容していかねばならない。ただし、そこには設計者が確固たる主体性を持っていることが前提になる。そうした『主体性を持つ変容の姿』を考えていけるならば、建築設計事務所は未来を悲観する必要はない」

日刊建設通信新聞
 2016年9月26日掲載
2020年5月13日
今、アテネ憲章に代わるもの―都市の形 – 多様性を包摂する社会で建築家は何を示せるか
2020年4月8日
都市の先見性と長期的変容を学ぶ – ビジョンと指針の不在が最大の問題
2020年3月11日
建築が評価されていない – 形態を持たない建築
2020年2月12日
多元的社会を生きる
2019年5月21日
速さの変革が時代を変える
2019年4月1日
新入社員に贈る言葉「グローバル社会に生きる」
2019年2月12日
続・中国の事情から何を読み取るか
2018年11月13日
速さの時代に生きる意味とは
2018年8月22日
中国の事情から何を読み取るか(下)
2018年8月7日
中国の事情から何を読み取るか(上)
2018年3月20日
現在という時代を考える
2018年1月5日
2018年年頭訓示 「共鳴得る構想力が必要・構想力が重要に」
2017年10月31日
技術革新の変化と未来
2017年8月7日
シリーズ 建築設計事務所「新たな地平を開く」
2017年8月2日
人体の免疫システムと建築の防御
2017年6月13日
住宅の高層化と都市景観
2017年4月4日
新入社員に贈る言葉「夢のある未来を」
2017年2月28日
近代建築と、現在という状況
2017年1月10日
ポピュリズムと現代(建築)の相克
2017年1月5日
2017年年頭訓示
2016年11月10日
省エネの独走
2016年9月26日
シリーズ 建築設計事務所「変革に向き合う」
2016年8月31日
場所を喪失した現代社会
2016年5月30日
都市型農業は革新する
2016年5月9日
都市型農業のすすめ
2016年4月4日
新入社員に贈る言葉「建築で何を問うか、個の力を発揮せよ」
2016年2月26日
都市農業への期待
2016年1月22日
農業の未来と都市化
2016年1月5日
2016年年頭訓示「責任の強い自覚を・建築家奮起の一年」
2015年11月20日
〈社会・自由・建築〉を考える
2015年9月7日
シリーズ 建築設計事務所「問われる真価」
2015年5月29日
天井問題から建築を考える
2015年4月2日
新入社員に贈る言葉「時代の変化の節目を捉えよ」
2015年1月9日
設計事務所トップの視線2015「建築を変えるのも建築でしかない」
2014年7月29日
シリーズ 建築設計事務所「変革への胎動」
2014年4月3日
女性の役割と発想
2014年4月2日
新入社員に贈る言葉「歴史と経験に学べ」
2014年2月6日
美しい日本の国土景観を未来に残そう
2014年1月16日
設計事務所トップの視線2014「新たなカタチの総合性」が必要
2013年7月24日
シリーズ 建築設計事務所「明日を読む」
2013年7月24日
シリーズ 建築設計事務所「国のかたちを考える」
2013年4月18日
自然と自然体で向かい合う
2013年4月2日
新入社員への訓示「新たな文脈を見出し、創造的使命を果たそう」
2013年1月24日
2013年の新たな都市像を描く
2013年1月18日
設計事務所トップの視線2013 豊かさ体感できる「コンパクトシティー」構築を
2012年8月2日
心つなぐコンパクト・シティーの構築
2012年6月29日
女性の就業環境創出は都市環境を変える
2012年5月17日
「二住宅所有論」を提起する
2012年4月3日
新しく入社された皆さん、心から歓迎したいと思います。
2012年1月19日
設計事務所トップの視線2012「環境・快適とBIMで新たな切り口」
2011年11月17日
リアリティー取り戻すべき
2011年10月14日
国家ビジョンなくして東日本の将来なし
2011年9月30日
生活居住地は高台か、平地かを考える
2011年8月22日
大震災が鳴らす警鐘
2011年7月27日
これからの高性能ビルと都市的開発のあり方を考える
2011年6月27日
現代社会が要請する復興の姿
2011年5月16日
国土計画と地域計画への提言
2011年4月21日
大震災の教訓と餞
2011年4月1日
巨大災害、我々の使命
2011年3月22日
巨大地震が突きつけるもの
2011年3月16日
このたびの震災について